2. PICってなに?

    PIC(ピックと呼んでいます)とは、米国マイクロチップ・テクノロジー社製のperipheral interface controllerというICの略称です。
    PICいろいろ
    用途によって種類がいろいろあります。

     別称「プログラマブルIC」とも呼ばれるとおり、IC内部にプログラムを書き込むことによって、実にさまざまな動作が可能になる、スグレモノの電子部品なのです。

     プログラムに従って動作をするこのICは、れっきとしたマイクロコンピューターです。が、一つ\150〜高くても千円くらいという、安価で使いやすものなのです。PICを使うと、単純な回路でも高度な機能をもつユニットができます。電子工作の初心者には、特におすすめの部品なのです。

     例えば、発光ダイオードという光る部品を使って、1秒ごとにピカピカと点滅させる回路を比べてみましょう。

    PICを使わない場合の回路

     回路図の見かたについて今はわからなくてもいいのですが、合計7個の、何かしらの電子部品が赤い線でつながれてるのはわかりますね。部品のうち、"LED"と書かれているのが"発光ダイオード"という部品で、その部分が光ります。あとの部品は、LEDを点滅させたり、電源を供給したり、それぞれいろんな役目を担っています。
     どの部品にどういう役割をさせて、回路全体ではどういう機能があるのか(ここではLEDの点滅)、といったことを作り上げるのが、この場合の"回路設計"です。

     この回路をはじめてみた時、全体でどんな機能があるのか、というのは部品や回路の知識がないとわかりませんね。

    一方の、PICを使う場合の回路はこんな感じです

     中心に"PIC12C509"という部品があります。回路は比較的簡単ですが、やはり見ただけではどんな働きをするのかよくわかりません。

     しかし、もしPICの中にこんなプログラムが書いてある、ということがわかればどうですか?

      1.LED(のつながっているピン:GP0)をONにする
      2.待ち時間0.5秒経過するまで待つ
      3.LEDをOFFにする
      4.待ち時間0.5秒経過するまで待つ
      5.はじめに戻る

     プログラムに書いてある動作を考えてみれば、これはLEDが一秒間隔で点滅する回路だ、とわかりますよね。

     PIC用のプログラムはパソコン上で、フリーソフトを使って作ることができます。自作したプログラムは、「PICライタ」という装置を使ってPICに書き込みます。回路の設計も、ほとんどの場合PICに必要な部品を直接つないで、後でプログラムを考えればたいていなんとかなってしまうので、工作入門に最適な気楽さがあるのです。

     回路についていろいろわかってくると、応用としては例えばこんな部品をPICにつないで制御することができます。

    PICへの入力
    PICからの出力により制御
    スイッチ類 操作のためのボタンなどです LED 光です。低電力でも結構明るいです。
    温度センサー 気温や熱湯の温度などを測れます。 液晶ディスプレイ 16文字X2行くらいのディスプレイなら簡単に制御できます。
    光センサー 周りの明るさを測ったり、光を遮るものを検出します。 直流モーター 例えば勝手に走行することのできる工作ができます。
    加速度センサー 重力、傾き、車の加速、コーナリング ステッピングモーター、サーボモーター 動きをかなり細かく制御することができます。ロボットアームなど。
    超音波センサー こうもりのように、超音波で物体までの距離を測定できます。 ブザー 音を発します。他にもメロディICを使えばきれいな音を使うことができます。
    パソコンから受信 RS232Cという方式で、パソコンとデータをやり取りできます。 パソコンへ送信 RS232Cです。
    左記とおなじ。
    赤外線センサー リモコンや近距離のデータのやり取り、検出に。 赤外線発信 左記とおなじ。
    などなど・・・

    ちょっと考えただけでもいろいろできそうですね。ロボット、防犯センサー、超音波距離計・・・可能性は無限大です。あなたならどんなものを作りますか?

    next 「工具と部品をそろえよう!」



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